
税理士の柏嵜忠弘(かしわざき ただひろ)です。
東京都大田区で開業しています。
なんでみんな会社作ろうって言うのか不思議に思っていませんか?
実は、会社を作ると給与以外に第2の経費である給与所得控除を使うことが出来ます。
給与は法人税を減らし、給与所得控除は所得税を減らすのです。
この記事を読み終えると、個人事業主が会社を作る理由が分かることが出来ます。
目次
そもそも会社と個人事業主の違いとは?
そもそも会社と個人事業主の違いを、給与所得控除額の説明の前にしたいと思います。
会社と個人事業主の違いは、事業主=社長が給料が取れるかどうかです。
なぜなら、個人事業主は給料を取れないからです。会社を設立して社長になれば、給料を取ることが出来ます。
実際に、「個人事業主 給与」でググってみると、個人事業主には給料はありませんと出てきます。
次の図で、会社と個人事業主の違いを確認してください。
会社の場合
会社の場合は、経費の中に給与(役員報酬)が、含まれています。
これが、個人事業主と大きく違うところです。
個人事業主は、自分に給料を払うことはできませんが、会社になれば自分=社長に給料を支払うことができて経費にすることが出来ます。

個人事業主の場合
個人事業主は、自分に給料を支払うことが出来ないため、収入-経費=利益となります。

まず、会社と個人事業主では、事業主=社長に給料を支払うことが出来るということを説明しました。
給与には、給与所得控除という2つ目の経費が隠されている!
会社が個人事業主よりも節税面で有利な理由は、給与(役員報酬)が取れるからです。
そして、給与を取ることは、さらに経費を増やすことになるのです。
なぜなら、その給与(役員報酬)には第2の経費である、給与所得控除が隠されているからです。
給与所得控除は、給与をもらった社長の所得税を減らす効果があります。
以下の図で、会社を作ったときの経費の図を示したいと思います。
会社が給与を含んだ経費で、利益を減らします。
さらに、給与をもらった社長個人は、給与所得控除で所得税を減らして行くのです。
経費と給与所得控除額が、個人事業主よりも経費が増えている部分です。

給与所得控除とはどんなものなのか?
給与所得控除は、サラリーマンの必要経費です。
なぜなら、サラリーマンは給与所得控除がないと、もらった給料が利益とみなされて、給料全部に税金がかかってしまうからです。
給与をもらうサラリーマンは、スーツやネクタイを購入しても、経費になりません。
そのため、給与所得控除を使って税金を減らすのです。
次の図の源泉徴収票で確認したいと思います。
赤い字で5,000,000円とかいてある金額が総支給額です。
総支給額とは、税金や社会保険を控除される前の金額です。
その隣の3,460,000円が、第2の経費を控除した金額である給与所得控除後の金額です。
つまり、1,540,000円が給与所得控除となります。

給与所得控除額は給与が増えるほど増えていきますが、上限が決まっています。
会社設立については、下の記事もどうぞ。



なんで会社を設立するかって?それは給与所得控除があるからさのまとめ
最後に、もう一度確認しましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。