銀行は、貸借対照表を右下から見ている!

銀行は、貸借対照表のどこをみているんだろう?と悩んでいませんか。

銀行は、貸借対照表の純資産の部をみています。

 

貸借対照表の純資産が、マイナスなら銀行融資が難しくなります。

この記事では、銀行が貸借対照表の右下を見る理由、債務超過の解消方法、銀行が実態の貸借対照表に作り変えていることなどを書いています。

 

この記事を読んで、銀行の貸借対照表の見方について確認しましょう。

目次

銀行は、貸借対照表を右下から見ている!

銀行は、貸借対照表を右下からみています。

その理由は、銀行は、貸借対照表の純資産の部が債務超過かどうかを確認するからです。

 

もし、債務超過だった場合は、銀行は、銀行融資をすることを避けます。

どうして、債務超過になると、銀行は、銀行融資をすることを避けるのでしょうか?

 

その理由は、次の3つとなります。

・利益がない

・返済能力がない

・資金の調達力がない

 

各項目について、確認していきます。

利益がない

債務超過になるということは、利益剰余金がマイナスになることです。

利益剰余金とは、会社が設立から貸借対照表を作った現在までの累計の利益が書いてあります。

 

累計の利益が赤字になり利益がないということが、銀行が銀行融資を避ける原因となります。

返済能力がない

債務超過というのは、資産よりも負債が多い状態です。

そのため、理論上は、資産を全部売っても、負債を支払うことができない状態となります。

 

返済能力がないので、これから銀行融資をしても、返してくれいないということになります。

資金調達力がない

資金調達力がないというのは、銀行は、決算書の同じところを見ます。

債務超過になっている決算書は、どこの銀行も見ているわけで、他の銀行でも銀行融資は受けられません。

どこの銀行でも銀行融資が受けられないなら、資金調達力はないということになるのです。

 

銀行は、貸借対照表の右下をみて、

・利益がない

・返済能力がない

・資金の調達力がない

ということから、銀行融資をしないという結論になるのです。

貸借対照表の右下を改善するにはどうするの?

貸借対照表の右下、つまり債務超過を改善するには、どうしたらいいのでしょうか?

債務超過を改善するには、

・利益を上げる

・役員借入金を債務免除する

・増資する

となります。

 

各項目について、確認していきます。

利益を上げる

債務超過を解消するには、利益を上げるのが1番の王道ですので、本業で利益がでる体質にしなければいけません。

債務超過になる理由は、過去の赤字です。

 

1期だけで赤字が出た場合は、解消するかもしれませんが、連続で赤字になり債務超過になった場合は、本業で黒字にするには、会社を変える必要があります。

会社を利益が出る体質にするには、大変な労力がかかります。

 

利益が出るようになれば、債務超過解消に近づきますが、債務超過が大きい場合は、債務超過解消には時間がかかります。

利益を出して債務超過を一気に解消することはできませんので、じっくりとやっていくしかありません。

役員借入金を債務免除する

会社が、債務超過を解消する方法の1つに、役員借入金を債務免除する方法があります。

役員借入金を債務免除すると、負債が減るからです。

 

債務超過は資産よりも負債が多いので、負債が減る分だけ債務超過が解消されます。

会社が、役員借入金を返済する必要がないなら、役員借入金を債務免除するのも1つの手段です。

 

役員借入金の債務免除の金額によっては、債務超過を一気に解消することができるかもしれません。

でも、タイミングを間違えると税金が発生したり、株主への贈与税が発生したりします。

役員借入金を債務免除する場合は、税理士に相談をしてやったほうがいいでしょう。

増資する

資本金をふやすことも、債務超過を解消する1つの手段です。

増資をすると、現金が入ってきて資産が増え、資本金は純資産が増えるからです。

 

でも、増資は、税金が増える可能性があったり、実際のお金を準備する必要があります。

他人が出資してくれる場合は、経営に口を出される可能性もあります。

増資をして債務超過を解消するのは、実行する方は少ないです。

銀行は実態貸借対照表を作っているので安心できない

会社が貸借対照表の右下を意識して決算書を作っても、銀行はその貸借対照表を信じているわけではありません。

銀行は、提出された貸借対照表を、実態貸借対照表に直しています。

 

実態貸借対照表とは、貸借対照表の中で、

・お金にならない売掛金

・販売できない在庫

・株価が下がった有価証券

・含み損のある土地

などを、実態の金額に訂正して、貸借対照表を作り直します。

 

そして、作り直した実態貸借対照表で、銀行融資をできるかどうかを審査をするのです。

銀行に提出した貸借対照表が、債務超過になっていなくても、実態貸借対照表が債務超過になっていれば、融資を受けることは難しくなります。

 

銀行が実態貸借対照表を作るときに、確認するのが勘定科目内訳明細書です。

この中で実態貸借対照表に直すポイントとして、

・現金及び預金

・売掛金

・貸付金

を例にして、確認してみます。

現金及び預金

現金及び預金は、預金については、あまり重視しません。

銀行が残高を知っているから、貸借対照表の残高を勝手に増やすようなことはしないでしょう。

 

現金の方が重要です。

現金取引が少ない会社は、現金の実際残高は、そう多くないハズです。

 

でも、貸借対照表の現金残高が、異常に多い場合は、現金はないものとします。

現金が多すぎる場合は、実際ないものとして、実態貸借対照表から削除します。

売掛金

売掛金は、お金にならない売掛金は、貸借対照表から外します。

お金にならない売掛金とは、回収不能になった売掛金のことです。

 

勘定科目内訳明細書にずっと残っている売掛金がある場合は、実態貸借対照表から削除します。

貸付金

貸付金は、特に役員貸付金に注意です。

役員貸付金は、役員からの返済の可能性が少ないため、返済がなくそのままになっていることが多いです。

 

役員貸付金がある場合は、実態貸借対照表から削除します。

 

このような感じで、提出された貸借対照表を、実態貸借対照表になおして、評価するのです。

今回のケースでは、現金、売掛金、貸付金が削除されました。

 

現金、売掛金、貸付金は、資産となります。

資産が削除されれば、資産よりも負債が多くなる可能性があり、実態貸借対照表が債務超過になる可能性があります。

 

銀行は、実態貸借対照表を作って、銀行融資の判断をするので、もし実態貸借対照表で削除されそうだと思う場合は、銀行に実際にあることを伝えなければいけません。

実態貸借対照表は、銀行が独自に作っているからです。

 

銀行は、実態貸借対照表を作って、銀行融資の審査をしています。

銀行は、貸借対照表を右下から見ている!のまとめ

貸借対照表は、提出して終わりではありません。

銀行は、その貸借対照表に手を加えています。

実態貸借対照表で債務超過にならないようにするには、健全な経営が必要となります。

 

編集後記(2224)

税務ソフトを変更するので、バックアップなどをやっています。

今月末までですが、間に合うか心配です。

 

55日記(2554)

小学校から途中まで、1人で帰って来ました。

自信になったのか、今日も1人で途中まで帰って来る予定です。

 

66日記(1781)

チアの練習をしています。

本番で緊張せず踊れるといいのですが。

 

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