税理士の柏嵜忠弘です。東京都大田区で開業しています。
先日、新規のお客さんに「請求書です。この金額をお振込みお願います。」と言ったら、「振り込む金額足りないんじゃない?」と言われました。
「税理士は、源泉所得税を引いて報酬をもらうんですよ。」と答えましたが、「なんで人の税金払うの?」という話になりましたので、この記事を書いてみました。
税理士や弁護士などに支払う源泉所得税の仕組みってどうなっているか気になりませんか?
そんな気になる悩みを解決できる記事になっています。
この記事は、源泉所得税の徴収の流れや源泉所得税が徴収される業種や仕事のことが書いてあります。
この記事を読み終えると源泉所得税の流れを理解することが出来ます。
税理士に報酬を支払うときはなんで税金引くの?
なぜなのかは、正直わかりません。
早めに税金を徴収しようという考えや国の予算の関係で徴収する、という考えなのでしょうか?
そもそも源泉所得税とは?
源泉所得税とは、個人の税金で所得税です。
所得税というと給料や賞与から引かれる税金を思い出すかもしれません。
その税金を源泉所得税と言います。
給料や賞与を支払うときに税金を引く他に、税理士なんかに税理士報酬(顧問料など)を支払うときも税金を引いて行きます。
源泉所得税の徴収の流れ
源泉所得税は、個人へ報酬などを支払う人が税金を預かって、報酬を支払う制度です。
お金の流れは、下の図のようになります。
➀ケロさんは、税理士に50,000円の顧問料を払います。
➁税理士は、ケロさんに5,000円の源泉所得税を渡します。
(税理士の手元には45,000円残ります。)
➂ケロさんは、預かった5,000円の源泉所得税を税務署に払います。
※数字はわかりやすくしています。本当は源泉所得税と復興税を引きます。
実際の実務では、➁のやりとりは省くことが多いです。
ケロさんが、50,000円払うところ45,000円税理士に支払います。
ケロさんは、差額の5,000円の源泉所得税を税務署に払います。
という流れです。
源泉所得税を引かれて報酬をもらっている税理士は、損していないの?
源泉所得税を引かれて報酬をもらっている税理士は、損をしていません。
なぜなら、払ってもらった源泉所得税は、税金の前払となって確定申告の時に精算することになります。
➀でケロさんが払った50,000円が全体の報酬になり、税理士の売上になるのです。
➂でケロさんが税務署に払った税金は、税理士の税金の前払いだからです。
税理士は、確定申告をして確定した税金の額が、前払いよりも少ない場合は還付を受けます。
確定した税金の額が前払いよりも多い場合は、多い部分のみを支払うのです。
源泉徴収されるのって税理士だけ?
報酬が源泉所得税を徴収されるのは、税理士だけではありませんし、個人事業主だから徴収されるわけでもありません。
なぜなら、源泉所得税を徴収される業種や仕事内容は決まっているからです。
実際に、国税庁のHPを確認してもらうとわかりますが次の業種と仕事内容です。
弁護士や公認会計士
プロ野球選手やプロサッカー選手
芸能人
保険の外交員
ホステス
などです。
その他に原稿料や講演料なども源泉所得税の対象となります。
革新的な経営方法で八百屋を経営している人に、経営について講演して欲しいと依頼があったときの講演料などです。
決まった業種だけでなく、仕事の内容によっても源泉所得税は徴収されます。
自分が源泉所得税を徴収されるのかな?と思った方は、国税庁のHPを確認してください。
(正直言ってわかりずらい…です)
源泉所得税は、誰が徴収しなければいけないの?
源泉徴収をしなければならないのは、会社と給料を払っている個人事業主です。
なぜなら、会社は、役員報酬や給料を払うので給料の源泉所得税を徴収しています。
給料から源泉所得税を引くように、税理士などからも源泉所得税を引かなければなりません。
給料(青色事業専従者給与)を払っている個人事業主も同じ考えです。
事業などをしていない人が、税理士に相続税の相談や申告をお願いする場合は、源泉所得税を引かなくても良いのです。
事業をしていない人は、給料などを支払ってないので、源泉徴収をする必要がないのです。
税理士法人へ顧問料を支払う場合どうなるの?
一番最初に書いてありますが、源泉所得税が徴収される支払いは個人に対するものです。
税理士法人への支払いは、源泉所得税を引いて支払うことはありません。
国税庁のHPに書いてある業種や仕事内容に関しても同じです。
源泉所得税―税理士に報酬を支払うときはなんで税金引くの? のまとめ
最後にもう一度確認しましょう
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。