経費を自分から除外して、利益を作るのはいいのか?というタイトルです。
SNSをみていたら出てきたので、ネタにしようと思いました。
個人的には、反対です。
これでは、会計のやる意味が無くなってしまうからです。
今回は、経費を自分から除外して利益を作るのはいいのか?をネタに書いて行きます。
経費を自分から除外して利益を作るデメリット
経費を自分から除外して利益を作るデメリットは、
- 正確な会社の会計ができない
- 現金の残高が残る可能性がある
- 役員貸付金が出てしまう可能性がある
となります。
各項目について、確認していきます。
正確な会社の会計ができない
自分で経費を入れたり除外したら、正確な会社の会計ができません。
なぜなら、事実で会計をしているのではなくて、人の意志で利益や損失が出てしまうからです。
それでは、会計をやる意味がないということになってしまうのです。
正確な会計ができないということは、次にどうする?ということもできないでしょう。
次にどうする?ができないので、次も同様に経費を除外して利益を出すことになります。
そうなると、会計を毎月コツコツとやっていても、決算のときに利益がでていないから、やり直しとなります。
それでは、申告する前にやるだけでいいんじゃないかと思います。
経費を自分から除外して利益を出す場合は、正確な会計から次につなげることができなくなってしまいます。
現金の残高がのこる場合がある
自分で経費を除外する場合に影響が出るのは、経費の方だけではありません。
その支払のお金にも影響がでます。
仕訳で確認してみましょう。
(借方) | (貸方) |
(交際費)44,000 | (現金)44,000 |
この交際費44,000円を除外するとします。
交際費は除外されますが、現金も一緒に除外されます。
そうすると、経費の交際費を使ったというのもなくなるのですが、現金を使ったというのもなくなります。
そのため、現金が帳簿に残ってしまいます。
会社に現金がないのに、現金の残高が44,000円増えてしまうのです。
これだけだと、44,000円のズレですが、経費を除外して利益を出す場合は、かなりおおきな金額の仕訳を除外する必要があるでしょう。
それを毎年やっていれば、現金の残高は本当にある手持ちの金額と離れていってしまいます。
それを元に戻すのは、本当にむずかしいです。
税務調査があれば、「現金が多いので、本当にあるのか確認させてください」となるでしょう。
現金がなければ、「役員賞与じゃないですか?」という流れになってきます。
経費を除外するは、現金の残高に大きく影響します。
役員貸付金が出てしまう場合がある
役員貸付金という勘定科目を、聞いたことはありますか?
Googleなどで調べてもらうと、あまりいい勘定科目ではありません。
なぜなら、役員貸付金があると、銀行融資には良くないからです。
この役員貸付金が出てくるパターンは、現金が増えたときです。
現金が実際の現金よりも増えてしまったので、現金を役員貸付金に勘定科目を変えるということです。
たとえば、本当の現金が100,000円しかないとします。
帳簿の現金の残高が1,100,000円で、1,000,000円ズレています。
この現金の残高1,100,000円を100,000円にするために、役員貸付金を使います。
仕訳では、
(借方) | (貸方) |
(役員貸付金)1,000,000 | (現金)1,000,000 |
です。
上でも書きましたが、現金の残高が増えすぎると、税務調査のときに役員賞与という話がでてくる可能性があります。
それを防止するために、“役員にお金を貸していますよ”という処理をします。
この役員貸付金が銀行融資には良くない理由は、
- 給料以外にお金を使っているため、本当は給料なんじゃないの?
- 役員貸付金を給料にしたら、会社は赤字になるんじゃないの?
- ちょっとお金にだらしないんじゃないの?
という考えになるからです。
経費を除外して役員貸付金にする場合は、融資に大きく影響します。
経費を自分から除外して利益を作るメリット
経費を自分から除外して利益を作るメリットは、利益が出ることです。
なんだよって感じですが、それがメリットとなります。
利益が必要な会社の場合は、大きなメリットがあると感じます。
利益が必要な会社とは、資金繰りに苦しい会社で、銀行の融資が必要な会社です。
銀行の融資が必要な会社は、利益がないとお金を貸してもらえないからです。
利益がないとお金を貸してもらえない理由は、融資の返済は利益から返して行くからです。
利益が出る⇒お金が残る⇒その中からお金を返すという流れになります。
利益が出なくても、お金を返せると思ってしまうかも知れませんが、利益がでないで融資の返済をしている場合は、どこかからかお金を工面しているはずです。
自分のお金を会社に入れていることや、給料をもらってもすぐに会社に入れてしまうことも、どこかからかお金を工面していることになります。
経費を自分から除外して利益を出して、銀行にバレなければいいのですが、どうなんでしょう?
ズレというのは、決算書などを見るとわかるような気がしますけど。
経費の除外についてはイロイロ思うところはあるけれど・・・
経費の除外については、個人的には認められません。
もし、お客様でそのようなことを言い出す方がいらっしゃったら、お断りすることになります。
それは、信頼関係がなくなってしまうからです。
例えば、除外する経費の理由が、個人的な支出だからとい理由もあるでしょう。
でも、個人的な支出を会社の経費に入れようとするところが問題です。
経費は、事業に関連するものしか入れられません。
事業に関連するものを入れていないということで、信頼関係はなくなってしまいます。
本当に会社の状態が苦しくて、経費を除外したいのでしょうが、私ではご協力できないと考えています。
経費を自分から除外して利益を作るのはいいのか?のまとめ
理由はどうあれ、経費を除外して利益を作るのは反対です。
今までやってきたことがムダになってしまうからです。
色々な考えもありますので、考えの合う方とお仕事がしたいですね。
編集後記(1684)
月次処理や連絡などを行いました。
忙しい時期が近づいてくるので、準備が大変です。
55日記(2014)
「もうクリスマスか・・・」と言うようになりました。
5歳くらいになると、季節の移り変わりもわかって来るようです。
66日記(1241)
抱っこ遊びをしました。
最近は、これがお気に入りです。