借入金は、返済しても経費にならないこと
借入金の返済って経費になるのかな?って悩んでいませんか。
税理士の柏嵜です。
東京都大田区で開業しています。
この記事では、借入金を返済しても経費にならない理由、借入金を返済するときの利息が経費になるなどが書いてあります。
この記事を読んで、借入金が経費にならない理由を確認していきましょう。
借入金を返済しても経費にならないってホントなの?
借入金を返済しても経費にはならないのは、ホントです。
なぜなら、借入金は、借りるときに収入にならないから、返すときにも経費になりません。
実際に、借入金を借りて、お金が入金したときは、売上や雑収入として処理をしません。
借入金を返済するときも、消耗品費や雑費などで仕訳をしませんので、経費にはなりません。
お客さんとお話をすると、「利益がでているなら、俺の借入金を返金すれば利益は減るよね?」ということを良く言われます。
お金が動くと経費になると思ってしまうのですが、お金を払っても経費にならない代表的なものです。
お金を借りたときに収入にならないので、返すときも経費にならないことを、
- 仕訳
- 損益計算書
で確認したいと思います。
仕訳編 借入金を返済しても経費にならない理由
借入金を返済したときの仕訳は、次のようになります。
そして、借入金を返す仕訳ですが、
(借方) | (貸方) |
(借入金)100,000 | (現金)100,000 |
となります。
仕訳なんかわからないよって思うでしょうけども、仕訳の意味は、
- 借入金100,000円を現金で返済した
となります。
この仕訳には、消耗品費や雑費など経費になる勘定科目が来ません。
だから、借入金を返済しても、経費にならないのです。
お金を100,000円借りたときの仕訳は、次のようになります。
( 借方) | (貸方) |
(現金)100,000 | (借入金)100,000 |
この仕訳の意味は、
- 現金100,000円を借りた
ということです。
この仕訳の中には、売上や雑収入などはありません
だから、借入金を借りる場合は、収入にならないのです。
仕訳を見たことがない方でも、〇〇費などにならないので、経費じゃないといえばなんとなく理解できますよね。
損益計算書編 借入金を返済しても経費にならない理由
借入金を返済しても経費にならない理由は、損益計算書を見てもわかります。
なぜなら、借入金を返済しても損益計算書には出てこないからです。
損益計算書は、簡単にいうと収入と費用の集まりで、収入と費用を引いたものが利益となって表示されます。
収入や経費になる場合は、必ず損益計算書に表示されます。
例えば、お金を100,000円返したときの損益計算書を確認してみます。
※その他の取引はないものとして作っています。
やっぱり消耗品費や雑費なども100,000円となりません。
損益計算書に出てこないので、借入金を返済しても経費にならないのです。
お金を100,000円借りたとします。
このときの損益計算書を確認してみます。
売上にも雑収入にも100,000円の記入がありません。
ということは、お金を借りても収入にならないということになります。
借入金を返済して経費になるのは利息部分
借入金を返済して経費になるのは、利息部分です。
なぜなら、利息部分は、会社のお金が減っていくからです。
例えば、500万円お金を借りて、500万円返したとします。
お金は500万円入ってきて、500万円出ていくだけなので、会社のお金は減りません。
一度にでお金を500万円借りて、何年かにかけて500万円を返済しても、お金を借りたときに500万円が入ってきて、返済するときに500万円が出ていくだけなのです。
利息の場合は、会社のお金が減るのです。
例えば、500万円お金を借りて、500万円お金を返して、さらに利息を10万円払ったとします。
この場合は場合は、お金を借りたときに会社に500万円が入ってきます、お金を返すときは500万円と10万円が会社から出ていきます。
会社が余計に払った10万円は、会社のお金が減ったので経費にしなくちゃいけないのです。
借入金の利息は、返済のときに含まれている
特別なことがない限りは、銀行などからお金を返した場合は、支払った返済金のうちに利息が含まれています。
銀行の通帳には、返済50,000円と書いてあっても、借入金返済が48,000円で利息が2,000円ということになります。
なので、銀行から払っている金額の全部が、経費にならないのです。
借入金を返済しても経費にならないってホントなの?のまとめ
最後にもう1度確認しましょう。
借入金の返済が経費になるの?っていう話は、多くのお客さんから出てくる話です。
借入金は、経費になりませんので注意が必要です。