税務調査は、領収書や請求書を使って、提出された確定申告書が正しいかを確認する。
確認する内容は、売上・在庫・人件費・外注費・交際費・パソコンの中身
税務調査ってどこを見ていくんだろうと悩んでいませんか?
税理士の柏嵜です。
東京都大田区で開業しています。
税務調査で見ていくところは、だいたい次の6つです。
- 売上
- 在庫
- 人件費
- 外注費
- 交際費
この記事を読んで、税務調査でのポイントを確認しましょう。
税務調査は何を調べるの?
税務調査は、提出された確定申告書が正しいかどうかを確認します。
税務調査は、
- 売上計上もれ
- 在庫の計上もれ
- 人件費が適正かどうか
- 外注費が適正かどうか
- 交際費の中に個人的なものがないかどうか
- パソコンの中に隠しファイルがあるかどうか
などを確認します。
税務調査では、
- 総勘定元帳
- 領収書
- 請求書(売上・仕入・外注費など)
- その他申告書を作るための資料
などを調べます。
青色申告で55万円又は65万円控除の方は、総勘定元帳があると思います。
最初に総勘定元帳を見ていきます。
そして、疑問があるものなどを質問していきながら、売上や在庫などを確認していきます。
税務調査のポイント6つ
税務調査では、上で書いた書類の中で、次の6つを確認します。
- 売上
- 在庫
- 人件費
- 外注費
- 交際費
- パソコンの内容
各項目について、確認していきます。
税務調査のポイント 売上
税務調査で売上は、100%と言って良いくらいに確認して行きます。
なぜなら、売上もれなどが見つかったら、すぐに税金につながるからです。
例えば、利益が出ている会社の場合は、売上のもれがあった場合は、利益が増えますので、法人税が課税されます。
さらに、消費税を納税している個人事業主は、消費税も払わなくてはなりません。
税務署が特に確認するのは、12月末ギリギリの12月から翌年の1月の売上などです。
売上は、仕事をやったところまでを売上とするので、売上の入金があったときではありません。
売上をやったところまで確認する方法
売上をやったところまで計上するには、つぎの3つを確認してください。
- 翌年1月売上の請求書を見て、12月分の売上がないかどうかを確認
- 手帳をつけている場合は、12月前後の月の自分の動きを確認して、その動きに対する売上が計上されているかを確認
- 仕入れや外注費がある場合は、仕入れた仕事や外注した仕事を確認して、その仕入や外注費に対する売上があるかどうかを確認
難しいですけど、税務署も同じ様に確認していきます。
こちらも同じ様に確認すれば、問題はないです。
税務調査のポイント 在庫
仕入れがある業種は、在庫を確認することがありますので、在庫表は必ず作成しましょう。
在庫表で確認することは、実際の在庫とあっているかどうかです。
でも、決算直後に税務調査があるわけではないので、大丈夫だろうと思ってはいけません。
在庫表がもれなく書いてあるかを確認する方法
- 12月末頃に仕入れたものが、在庫表にあるかどうかを確認
- 翌年1月に売れた商品などが、在庫表にあるかどうかを確認
- 来年1月に売れたものを確認する理由は、翌年1月売れたということは、12月に在庫としてあるはず
税務署も同じ様に確認していきます。
税務署と同じ様に準備しておけば、問題はないです。
税務調査のポイント 人件費
税務調査では、人件費も確認していくことが多いです。
人件費には、
- 家族に払う青色事業専従者給与
- 従業員などに払う給与
があります。
各項目について、説明していきます。
家族に払う青色事業専従者給与
家族に払う専従者給は、
- 青色専従者給与の金額が多すぎないかどうか
- 青色事業専従者給与に関する届出書の範囲内かどうか
などを確認します。
専従者給与の金額が多すぎないかどうか
専従者給与は、家族に払う給与なので、仕事の内容にくらべて金額が多くなってしまうことがあります。
例えば、事務仕事しかしていないのに、高額な給料をもらっている場合などです。
普通の事務員の給料ではもらえないような給料をもらっている場合は、多すぎると指摘される場合があります。
青色事業専従者給与に関する届出の範囲内かどうか
青色事業専従者は、給料の金額を届けなければいけません。
その届出書が、青色事業専従者給与に関する届出書と言いますが、届出書に青色事業専従者の給料の金額を書く欄があるので、その金額の範囲を超えていないかを確認します。
青色事業専従者給与に関する届出書を確認したい方は、国税庁のHPの青色事業専従者給与に関する届出書をご確認ください。
従業員などに払う給与
従業員などの給料は、架空の給料があるかどうかを確認することがあります。
現金払いの給料に関しては、確認されると思ったほうが良いです。
なぜなら、今どき振込じゃないのは変だと税務署が思うようです。
以前、税務調査のときに税務調査官にそう言われました。
「今どき振込で給料を払うのに、現金で払っているのはおかしい」そうです。
その他では、
- タイムカードが全員分あるかどうか?
- 給料は払っているけど仕事してるのかどうか?
などを確認していきます。
人件費も確認されますので、きちんと資料を残しておきましょう。
税務調査のポイント 外注費
外注費の税務調査のポイントは、架空の外注費があるかどうかです。
どこを確認するかと言うと、
- 外注費の領収書の住所や名前から外注先が存在するかどうかの確認
- 外注費で申告しているけど給料になるような人がいないかどうかの確認
などを確認します。
私の知り合いの税理士の話ですが、外注費の領収書の住所を確認したらカラオケボックスだったとか、領収書の携帯電話の番号が1ケタ多かったとかがあって、どうなってるの?って税務調査官に疑問を持たれたことがあったと聞きました。
外注先からもらった領収書の内容も、チェックしたほうが良いかもしれません。
税務調査のポイント 交際費
税務調査で交際費を確認するのは、個人的な食事などが入っていないかどうかです。
交際費以外にも会議費や福利厚生費も個人的な食事などが入っていないかを確認します。
食事以外にも誰かにプレゼントしたことにして、自分に買っていないかどうかなどを確認します。
税務調査のポイント パソコンの内容
パソコンを使って処理をすることが多くなりました。
以前、税務調査でパソコンに隠しファイルがあるかどうかを確認されました。
Windows10では、
- タスク バーの検索ボックスに「フォルダー」と入力し、検索結果から [全てのファイルとフォルダーを表示] を選択します。
- [ 詳細設定] で、[ 隠しファイル、隠しフォルダー、および隠しドライブを表示する] を選択し、[ OK]を選択します。
で表示します。
最近では、メールのやり取りなども確認することがあります。
パソコンの内容を確認されますので、見られたくないようなファイルやメールは仕事用のパソコンで使わないようにしましょう。
税務調査 生活費
個人事業主は、生活費の金額を聞かれることがあります。
なぜなら、確定申告の利益がほとんどない場合は、どうやって生活しているのだろうと疑問に思うからです。
税務署は、確定申告の利益=生活費として見ています。
確定申告で毎年利益がないのに、生活費が月々30万円かかると答えたら、年間360万円はどうやってお金を用意しているのかを聞かれます。
利益があるから生活できるので、利益がない場合は、売上がもれているのか、個人的なものが経費になっていると思われます。
税務調査は何を調べるの?個人事業主の場合のポイント6つのまとめ
税務調査は、領収書や請求書を確認して、提出された確定申告書が正しいかどうかを確認するために来ます。
確認する内容は、売上・在庫・人件費・外注費・交際費・パソコンの中身 などですが、全部確認しないかもしれませんし、水道光熱費や通信費なども確認するかもしれません。
どこを見られても良いように申告するのが、1番安全です。
税務調査は、心にズシッと負担がかかりますので、会社を経営していて税理士に依頼している人や税理士に知り合いがいる人は、相談すると良いと思います。
以前、お客さんで「悪いことはしていないのに、税務署が来るなんて、もう外を歩けない」と電話で泣いている人がいました。
税務調査は、悪いことをしているから来るのではなくて、ちゃんと申告しているかを確認に来るのです。
税務調査=悪いことと思わないようにしましょう。