「これって、俺が立替えてるお金返してもらえば、利益って減るんですか?」
決算の打合せのときに、お客様から出た言葉です。
“いつものヤツきたー”とか思いましたが、ご説明したら納得いただけました。
会計は、お金が動いたから経費になるわけではないのです。
借入金や未払金は払っても経費にならない
借入金や未払金を払っても経費にはなりません。
なぜなら、借入金は、借りたお金を返しているだけだからです。
借りるときに収入にならないので、返すときに経費になりません。
借入金は、借りるときに「お金を借りた」とだいたい言うと思います。
「収入があった」とは言わないと思うのです。
収入じゃないのに、返すときだけ経費になるって、変じゃないでしょうか?
もしかして、私だけ変だと思っているかもしれませんが。
ということで、借入金の返済は経費にはなりません。
未払金も払っても経費になりません。
未払金は、なにかを購入して、まだ払っていないからです。
購入しているので、領収書などはあるはずです。
領収書があれば、そこで1度経費になっています。
未払金を払うときに経費になってしまうと、2度目の経費になってしまいます。
- 1回目は、商品などを購入して、領収書で経費にする
- 2回目は、未払金を払ったときに、経費にする
これだと、1枚の領収書で2回経費になってしまいます。
そのため、未払金を払ったときには、経費になりません。
今回の説明の納得したところ
今回のお客様は、べつの説明でご納得していました。
決算のときに貸借対照表の図を見せて説明したのですが、その図でご納得されていました。
簿記を知っているのかどうかは知りませんが、なかなか鋭い人だなと思ったのです。
貸借対照表は、資産の部=負債の部+純資産の部となります。
そして、資産の部と負債の部+純資産の部の金額は、同じとなります。
図にするとこんな感じです。
借入金を返済するのは、お金を払って、借入金が減るということになります。
お金を払うので、資産が減りますので、資産の部のお金が減るのです。
そして、借入金が減るので、負債の部の借入金が減ります。
図にすると資産の部①の部分のお金がなくなります。
そして、負債の部の①の部分の借入金や未払金がなくなります。
図は、①の部分が減って、ちょっと小さくなりました。
「資産の部と負債の部の両方が減っていきます。」とお話すると、「なるほどね」とおっしゃっていました。
決算書などを図で説明するのは、こういうメリットがあるんだなと、ちょっと感じたところでした。
他の説明としては、〇〇費というのも使っていないというのも、ポイントです。
経費ならだいたい〇〇費となりますが、今回はなりません。
借入金の返済や未払金の支払いです。
言葉の使い方で、わかることもあります。
その辺もポイントかと思います。
お金が動くから経費になるわけじゃないのまとめ
会計なんかをやっていると、よくある質問です。
この質問がだいたいの入り口なんじゃないかと思います。
編集後記(1472)
昨日は、公園に行ったり買い物に行ったりしました。
ゆっくり過ごせました。
55日記(1802)
買い物に行ったときに、シールを買ってもらえなかったので、怒っていました。
シールほしいのはわかるけど、いまあるのをつかってね。
66日記(1029)
「自分でやる」ということが多くなってきました。
フォローするのもなかなか難しいです。