この記事は、銀行融資の後の、お金の使い道の確認について解説しています。
融資を受けたら、あとは事業に集中…と思っていませんか?
実は銀行は、融資後のお金の“使い道”までしっかりチェックしています。
「いくら入って、何に使って、今いくら残っているか」—— その流れを見れば、会社の健全性も、経営者の姿勢も見えてくるのです。
この記事では、銀行が確認する5つのポイントをわかりやすく解説します。
確認するポイントは、
・会社にいくらお金が入金したのか確認
・運転資金にいくらつかったかを確認
・固定資産にいくら使ったかを確認
・現預金がいくらあるかを確認
・その他に使ったかを確認
となります。
この記事では、銀行が確認する5つのポイントをわかりやすく解説します。
会社にいくらお金が入金したのか確認
銀行は、会社にいくらお金が入金したのかを確認します。
確認方法は、貸借対照表の短期借入金と長期借入金を合計した金額となります。
短期借入金や長期借入金は、銀行が融資した金額となります。
会社の決算書を確認するなら、負債の部で確認してみましょう。
短期借入金じゃなくて、「一年以内返済予定長期借入金」という表現になっているかもしれませんが、それも短期借入金と同じです。
1年以上を返済しなければいけない借入金の内、一年以内に返済するものを長期借入金から分けただけです。
例えば、短期借入金と長期借入金を合わせて、2,000万円だった場合で確認していきます。
表にすると、下のようになります。
| 使い道 | 借入金 |
| 運転資金? | 2,000万円 |
| 固定資産? | |
| 現預金? | |
| その他? | |
| 合計2,000万円 | 合計2,000万円 |
運転資金にいくらつかったかを確認
銀行は、お金の使い道について、最初に運転資金にいくら使ったかを確認します。
運転資金というのは、会社の運営資金の不足部分ことですが、算式があります。
・運転資金=売掛金+棚卸資産△買掛金
この算式で計算した金額が、会社の運営資金のうち、不足している部分となります。
運転資金の注意点は、売掛金や棚卸資産が、キチンとしていることです。
キチンとしているというのは、お金になるものだけを、算式に入れます。
銀行は、融資が返済されるのか?に注目しています。
もらえない売掛金、販売できない棚卸資産は、算式から外して計算しましょう。
売掛金や棚卸資産の内容を確認したら、会社の運転資金がいくらあるかを、確認してみましょう。
ここでは、運転資金が、800万円だったということで、進めて行きます。
借入金2,000万円のうち、800万円がうまりました。
| 使い道 | 借入金 |
| 運転資金800万円 | 2,000万円 |
| 固定資産? | |
| 現預金? | |
| その他? | |
| 合計2,000万円 | 合計2,000万円 |
固定資産にいくら使ったかを確認
借入金2,000万円のうち、800万円が運転資金だったので、2,000万円△800万円=1,200万円の使い道を探していきます。
運転資金を見たあとは、固定資産にいくら使ったのかを確認します。
固定資産を貸借対照表の資産の部の金額を確認しましょう。
固定資産というのは、
・建物
・建物附属設備
・工具器具備品
・車両運搬具
・土地
などがあります。
固定資産の注意点は、減価償却をしているかどうかです。
ざっくり説明すると、法人税では、減価償却は必ずやらなくてもいいのです。
でも、銀行融資では、減価償却を必ずするものと考えています。
そのため、減価償却をキッチリやった金額で行います。
ここでは、車両運搬具(車ですね)に、500万円使ったとします。
| 使い道 | 借入金 |
| 運転資金800万円 | 2,000万円 |
| 固定資産500万円 | |
| 現預金? | |
| その他? | |
| 合計2,000万円 | 合計2,000万円 |
現預金がいくらあるかを確認
借入金2,000万円の内、運転資金が800万円で固定資産が500万円とわかりました。
つぎに確認するのは、現預金です。
現預金にいくらあるかを確認します。
現預金というは、現金と預金の略ですね。
現預金の注意点は、現金があるのか?です。
現金があるのか?というのは、現金の残高が多いのに、本当の現金はないということです。
そんなことあるの?と思ってしまうかもしれませんが、個人的なことで会社のお金を使ってしまって、処理していない場合は、現金勘定だけが残ってしまうことはあります。
売掛金や棚卸資産と同じで、銀行は返済の可能性があるかどうかを見ているので、数字だけの現金勘定ではなくて、実際の現金勘定が必要となります。
会社の貸借対照表の現預金を、確認してみましょう。
現預金が、500万円あったとします。
表は、次のようになります。
| 使い道 | 借入金 |
| 運転資金800万円 | 2,000万円 |
| 固定資産500万円 | |
| 現預金500万円 | |
| その他? | |
| 合計2,000万円 | 合計2,000万円 |
その他に使ったかを確認
借入金2,000万円のうち、運転資金800万円、固定資産500万円、現預金500万円とわかりました。
残りが2,000万円△800万円△500万円△500万円=200万円となります。
残りの200万円は、いろいろと考えられます。
銀行は、仮払金や立替金があれば、その金額になったと考えるでしょう。
他に、役員貸付金があれば、役員貸付金に行ったと思います。
貸借対照表に有価証券とあれば、借入金が有価証券になったと考えます。
その他の部分は、あまり良くない使い道となります。
その理由は、本来の使い道からハズレているからです。
借入金は、事業を発展させるために、あるからです。
借入金が、役員貸付金になっているなら、次の融資も役員貸付金に流れるかも?と思ってしまいます。
貸借対照表は、キレイにしておく=ムダなものを減らしておくことを、オススメいたします。
表は、こうなります。
| 使い道 | 借入金 |
| 運転資金800万円 | 2,000万円 |
| 固定資産500万円 | |
| 現預金500万円 | |
| その他200万円 | |
| 合計2,000万円 | 合計2,000万円 |
銀行は“お金の流れ”を見ている!融資後にチェックされる使い道のまとめ
銀行は、借入金の残高から、どのようにお金を使ったのかを確認します。
順番は、借入金⇒運転資金⇒固定資産⇒現預金⇒その他の資産となります。
確認するポイントは、
・会社にいくらお金が入金したのか確認
・運転資金にいくらつかったかを確認
・固定資産にいくら使ったかを確認
・現預金がいくらあるかを確認
・その他に使ったかを確認
編集後記(2413)
用事があり、六本木に行ってきました。
オシャレな店が多くて、圧倒されましたね。
55日記(2743)
翌日の準備が、うまく行っていなかったので、一緒に確認しました。
チェックをつけることを、楽しんでやっているようです。
66日記(1970)
プールに行きました。
試験があるようで「はやく8きゅうになりたい」と言っていました。

