法人成りの相談がありました。
法人成りというのは、個人事業をしていて、同じ事業で法人をすることです。
法人成りすると税金で有利になりますが、社会保険があるので全体的なお金の支出は増える傾向にあります。
- 社会保険に入りたいから
- 取引先が求めているから
- かっこいいから
- 社長になりたいから
などなど法人成りにする理由は色々ありますが、支出を考えてからでも法人なりを決めてもいいかと思います。
個人事業主の法人成りでのお金の話
法人成りのお話で出てくるのは、役員報酬の話です。
そうすると、“思ったより金額が少ない”と思う方が多いです。
なぜなら、社会保険が影響しているからです。
法人成りすると税金の面では、有利に働きます。
ほとんどのパターンがそうなることが多いです。
でも、社会保険を含めると、支出が多くなっていきます。
社会保険というのは、
- 健康保険
- 厚生年金
を合わせた呼び名です。
社会保険は、給料の約30%になります。
そして、その30%のうちの15%が本人(給料をもらう人)負担となり、残りの15%が会社負担となります。
そして、そこから、税金(所得税)が引かれていきます。
そうすると、給料は、
- 給料△健康保険△厚生年金△税金(所得税)=手取り
となるのです。
手取りを出してみると、結構少ないなと感じる人が多いのかもしれません。
また、役員報酬の場合は、基本的に給料を期に1回しか変更できません。
※基本的にというのは、会社が倒産してしまう危機などの場合は、変更できることもあります。
1回決めたら、それ以降はその期が終わるまでは、同じ給料にしなければいけないルールとなっています。
住宅ローンや生活費があって、必要な手取り金額が決まっているのであれば、その金額が取れるのかどうかをシミュレーションしましょう。
そして、自分がどのくらいの金額を手取りで会社からもらえるかを確認してから法人成りしても、遅くはないです。
もし給料が少なくて会社から給料以上にお金を取ってしまうと、社長が会社からお金を借りたことになります。
会社から見ると、役員にお金を貸し付けているので、役員貸付金となります。
“俺の会社なんだからお金はどうしようと自由だろ”と思う方もいるかもしれませんが、会社のお金は社長のお金とは別物です。
私が説明するときは、「会社っていう人がいて、社長とは別人です。会社のお金は会社っていう人の持ち物なので、社長のものではないですよ」と説明するときもあります。
役員貸付金になってしまい、決算書にあると銀行融資などで不利になることが多いので、避けたいです。
取引先の関係で、法人でなきゃダメって場合もありますが、そうではない場合は、法人の方が支出が増えることもあります。
法人にする理由を、明確にしたほうがいいです。
法人成りは有利にならないのか?
私が会計の業界に入った25年前くらいは、社会保険に入るのは強制だったけど、今よりも厳しくなかったです。
そのため、会社を作っても厚生年金に加入していた会社は、全部じゃなかった記憶があります。
厚生年金に加入しない前提で、法人成りが有利という考えも当時はあったですし、多かったと思います。
社会保険がなければ、税金はほとんどの場合は、有利になるからです。
そして、消費税は2期分免除となっていましたが、インボイス制度が始まれば、そういうメリットもなくなるでしょう。
実際に、今から(今日は、2023年4月25日)法人成りすれば、そのメリットは、6か月もないです。
個人事業の場合は、税理士に依頼しないで、確定申告ができました。
法人の場合は、ちょっと仕組みがかわるので、自分でできない場合可能性があります。
別表というのを使って、申告をするのですが、やったことない方だと、なかなかわかりにくいです。
社会保険関係ができない場合は、社会保険労務士に依頼しなければいければいけません。
こう考えてみると、法人なりは個人事業主よりもお金がかかる可能性があります。
個人事業主から法人なりすると、思ったより多くの出費がありますので、想定の1.5倍くらいを考えましょう。
支出が増える可能性もあるので、法人成りが良いかどうかは、シミュレーションしてみましょう。
個人事業主の法人成りでのお金の話のまとめ
個人事業から法人成りすると、お金の支出が多くなったと思う方が多いです。
しっかりと、シミュレーションしてから、法人成りしましょう。
法人にする理由を明確にするのも大切です。
編集後記(1487)
昨日は、法人成りのご相談でした。
他の方にも聞いて決断するということですが、それがいいと思います。
55日記(1817)
保育園から帰るときに元気がありませんでした。
熱があったのに、我慢していたみたいです。
先生に言えるようにして欲しいです。
※熱と言っても、家に帰される程の熱ではありませんでした。
66日記(1044)
夕食ごアイスを食べたのですが、コーンの部分は食べないで、コーンの中をスプーンですくって食べていました。
なかなか器用な食べ方です。