先日、現預金の残高が、期首(年初)と期末(年末)があまり変わらなくても、赤字になるの?と質問をうけました。
結論としては、なります。
その理由は、現預金の残高ってあまり赤字に関係がありません。
それは、いろんなものが、お金になって、経費になって行くからです。
この記事で、現預金の残高が変わらなくても、赤字になる理由を考えて行きましょう。
現預金の残高が変わらなくても赤字になるの?
現預金の残高が変わらなくても、赤字になります。
その理由は、現預金以外のなにかが、現金になって、そして経費になっているからです。
いくつか例を出して、確認していきましょう。
売掛金
売掛金の期首(年初)残高が100万円あって、期末(年末)が70万円だったとします。
売掛金は、入金されてお金になるのですが、期首(年初)と期末(年末)差は、100万円△70万円=30万円となり、30万円が現預金になっているはずです。
でも、現預金の残高は変わらないから、30万円分お金が減っているので、経費になっているということです。
その期(年)になにも仕事がなかったら、30万円の赤字となります。
言葉ではわかりにくいので、図にすると、下のようになります。
※左右でバランスが取れていませんが、かんべんしてください
売掛金が100万円△70万円=30万円で、現預金が30万円増えます。
その30万円が、経費30万円になったということです。
現預金の残高が変わらないから、赤字にならないわけではないんですよね。
現預金の残高が変わらなくても、赤字になるのです。
借入金
借入金の方が、わかりやすいかもしれません。
例えば、50万円借りました。
でも、現預金の残高は、増えませんでした。
ということは、現預金の50万円がどっか行ってしまったということです。
その50万円は経費になって、赤字になったということです。
図にすると、したのようになります。
※今回も左右バランス取れていません……すみません
お金を50万円借りて、そのお金が経費50万円になっています。
こんな感じで、現預金が動かなくても、赤字になります。
減価償却
最後にもう1つ、減価償却について書いていきます。
減価償却というのは、資産の経費化です。
ざっくりと説明すると、金額が大きくて使える期間が長いものは、使える期間で経費にしようというものです。
200万円で買った車は、6年使えるから200万円払っているけど、6年間で経費にしようというものなんです。
減価償却は、お金の流れと経費がまったく噛み合わないものです。
200万円の車を購入して、その車を経費にします。
購入した期(年)は、200万円の車を購入するので、お金が動きます。
でも、次の期(年)は、お金が動かなくても、経費がでてくるのです。
図にすると、下のようになります。
車両が200万円でないのは、買った期(年)に減価償却したと思ってください。
※こちらも左右がバランス取れていません泣
減価償却の金額は、適当です
預金が動かなくても経費にはなるのです。
そこだけ感じてもらえれば、ありがたいです。
現預金の残高が変わらなくても、結局お金を使ってる
いろいろな例を書いてみましたが、結局はお金を使っているということです。
決算書などを比較してみると、お金の残高が変わっていないのに、なんで赤字になるの?と思う原因は、お金を使っているということです。
現預金が変わらなくても、なにかがお金になって、経費になっています。
減価償却については、タイミングが違いますが、車などを購入したときにお金を使っていて、後で経費になっています。
お金を使っているから、領収書があるのです。
その集まりが損益計算書の経費の部分となります。
貸借対照表を比較すると赤字の原因がわかる
上で書いてきたことは、貸借対照表を確認するとわかります。
それは、経費と書いた部分以外は、貸借対照表だからです。
赤字の原因はなに?と確認すると、売掛金が30減って現預金になったとわかれば、それを使って経費にしたんだなってわかります。
問題なのは、これには慣れが必要です。
ヒントとしては、期首(年初)と期末(年末)の差が、増えているのか?減っているのか?で確認します。
勘定科目 | 金額が増える | 金額が減る |
現預金勘定(現金、普通預金など) | 現預金増える | 現預金減る |
資産勘定(売掛金、前渡金など) | 現預金減る | 現預金増える |
負債勘定(買掛金、借入金など) | 現預金増える | 現預金減る |
ざっくりと、こんな感じで見てもらえれば、どうなって赤字になったのかがわかります。
前期比較貸借対照表(会計ソフトで名前は変わります)を、使うとわかりやすいですね。
ちょっとでも理解できたら、それでいいでしょう。
問題は、意識無くお金を使っていることです。
通帳の残高又は決算書の残高を見て、お金使ってない!と思っていますのは、ちょっとマズイです。
領収書がいっぱいあるということは、それだけ使っているということです。
一歩進んで、なにがお金に変化して、経費になったのかを探しましょう。
赤字の原因がよくわからない場合は、税理士に聞こう
貸借対照表なんて、読めない!というあなた。
顧問税理士がいる場合は、税理士に聞きましょう。
顧問の方がいない場合は、スポットでも聞いてみましょう。
税理士って数字を提供していますので、数字の質問がうれしいものです。
できたら、一緒に探してみましょう。
一緒にやれば、貸借対照表や損益計算書の理解が、深まることになりますよ。
現預金の残高が変わらなくても赤字になるの?のまとめ
貸借対照表は、難しいです。
すこしでも、疑問が解消できたらうれしいですね。
よくわからない方は、税理士に聞きましょう。
編集後記(1879)
3月決算をやりました。
なんとか、終わりに近づいてきました。
55日記(2209)
プリンセスピーチで、「〇〇ができない~」と泣いていました。
ゲームのことは、わからないので、むずかしいですね。
66日記(1436)
疲れたのか夕方寝たのですが、そのあとは元気いっぱいになっていました。
元気は元気で、大変ですね。