税理士の柏嵜です。
東京都大田区で開業しています。
扶養というと年収103万円と思う人が多いと思います。
でも、パートやアルバイトをしていながら、年金をもらうとどうなるの?という質問がありましたので答えていきたいと思います。
※扶養という意味を、どのくらいの年金と給与の金額で、控除が受けられるのか?としています。
※住民税や社会保険については、触れていません。
- 扶養になるのかどうかは、年金と給与の合算の所得金額が、扶養の範囲内かどうかです。
- 扶養になるかどうかは、旦那さんの給与や年金などの所得金額も影響します。
- 年金と給与の所得金額が扶養の範囲内の場合に受けられる控除は、配偶者控除か配偶者特別控除です。
用語の意味
年金や給与から控除額を控除した金額を所得金額と言います。
所得金額とは、利益みたいなものです。
年金や給与には、利益という考えはないのですけど。
年金の所得金額は、年金収入から年金等控除額を控除した後の金額です。
給与の所得金額は、給与収入から給与所得控除額を控除した金額です。
年金の所得金額の計算
年金は、国民年金や厚生年金などの公的年金と生命保険の個人年金とあります。
今回の年金は、公的年金についてです。
※生命保険の個人年金については触れません。
年金の所得金額は、1年間の年金収入から年金等控除額を控除したものです。
次の表で年金の所得金額を計算できます。
例)66歳 年金収入450万円の人は、450万円×85%―78万5千円=304万円が年金の所得です。
パート(給与)の所得金額の計算
パートの収入は、給与収入となります。
給与収入の所得金額は、1年間の給与収入の金額から給与所得控除額を控除した金額です。
年間の給与収入から、給与所得控除額を控除した金額を、給与所得控除後の給与等の金額と言います。
給与所得控除後の給与等の金額が、所得金額となります。
この給与所得控除後の給与等の金額は、こちら(年末調整の手引きP81~P89)の表より確認してください。
掛け持ちでパートなどしている場合も、1年間の給与を合算して計算します。
※1年間=1月1日~12月31日のことです。
例)給与が300万円の人は、192万円が給与所得控除後の給与等の金額(=所得金額)です。
配偶者控除と配偶者特別控除
配偶者控除は、旦那さんの所得金額が1,000万円以下で、奥さんの所得金額が38万円以下の場合に控除を受けられます。
旦那さんの所得金額が1,000万円とは、給料だけだと給料の金額が1,220万円以下です。
給与以外に年金などの収入がある場合は、その所得金額の合算額です。
配偶者特別控除は、旦那さんの所得が1,000万円以下で、奥さんの給与収入が2,015,999円以下の時です。
次の表がわかりやすいです。
➀の部分が、旦那さんの給与や所得金額のことが書いてあります。
年金+パートがいくら収入だったらお父さんの扶養なの?の具体例
旦那さん(67歳) 給与800万円 年金200万円
奥さん(65歳) 給与150万円 年金150万円
旦那さんの所得
年金) 年金の表から200万円×100%-120万円=80万円(年金の所得)
給与) 給与の表から800万円×90%-120万円=600万円(給与の所得)
80万円+600万円=680万円(年間所得)
奥さんの所得
年金)年金の表から150万円-120万円=30万円(年金の所得金額)
給与)給与の表から150万円-65万円=85万円(給与の所得金額)
30万円+85万円=115万円(年間所得)
旦那さんの所得が900万円以下で、奥さんの所得が115万円なので配偶者控除11万円が受けられます。
年金+パートがいくら収入だったらお父さんの扶養なの?のまとめ
質問がありましたので、作成しました。
表を使えば簡単に計算できますので、確認してみてください。
最後まで読んで下さって、ありがとうございました。