領収書を使って経費で落とすとは、利益と税金を減らすことです
経費で落とすっていうけれど、どんなことなんだろう?って悩んでいませんか?
税理士の柏嵜忠弘です。東京都大田区で開業しています。
領収書を使って経費で落とすとは、税金を減らすことですが、お金も減ってしまいます。
この記事は、
この記事を読み終えると、経費について深く理解できるようになっています。
領収書を使って経費で落とすとは、利益と税金を減らすことです
領収書を使って経費で落とすとは、会社のお金を使って経費を作り、利益と税金を減らすことです。
なぜなら、会社の場合は、収入から経費を引いた利益に税金がかかるからです。
経費が増えれば、利益が減るので税金も減って行きます。
もらった給料の中からなにかを買っても税金が減らないのは、もらった給料は、税金が引かれた後だからです。
実際に、
- 事業に使用するためにパソコンを購入して経費にする場合
- もらった給料の中からパソコンを購入する場合
の違いを説明してみます。
事業に使用するためにパソコンを購入して経費にする場合
パソコンを事業で使うために買う場合は、事業の経費になり税金も減っていきます。
なぜなら、パソコンを購入した金額を費用にした後に税金がかかってくるからです。
下の図で確認してみます。
事業で購入した場合は、収入から経費(パソコンを含む)を引いて利益を出します。
そして、利益から税金を計算していきます。
事業で使うためにパソコンを買う場合は、税金が減るのです。
もらった給料の中からパソコンを買う場合
もらった給料の中からパソコンを買う場合は、個人の経費になりませんし税金も減りません。
なぜなら、個人的にパソコンを買う場合は、給料から税金などを引かれた手取り額の中から購入するからです。
もう税金が課税された後のお金を使って、パソコンを購入するのでお金が減るだけとなります。
個人的に購入するので、給料をもらう人がパソコンを購入したということで、図にしてみました。
給料から社会保険や税金が引かれたあとの金額が、使えるお金となります。
その中からパソコンを購入するので、個人的にパソコンを購入する場合は、使えるお金=貯金が減るということになります。
個人的買う場合は、税金を払った後にパソコンを購入します。
事業に使うために買う場合は、税金を払う前にパソコンを購入するのです。
経費で落とすメリット2つ
経費を使うメリットは、次の2つです。
- 経費を使えば、税金が減る
- 事業で使う場合は、好きなものが買える
各項目について、説明していきます。
経費を使えば税金が減る
経費の最大のメリットは、税金が減ることです。
なぜなら、税金は利益にかかかってきます。経費を使うことで利益を減らすことができるからです。
実際に、経費を使う場合と経費を使う場合を見て行きましょう。
経費を使わない場合
利益が500万円で税率が、30%とします。
500万円×30%=150万円が税金となります。
経費を使って税金が減る場合
利益が500万円だったけども経費を200万円使って、利益が300万円になったとします。
500万円―200万円=300万円(利益)
300万円×30%=90万円が税金となります。
500万円のときは、税金が150万円です。
300万円のときは税金が90万円になり、経費を使うと利益が減り税金が減っていきます。
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事業で使う場合は、好きなものが買える
経費にするメリットのもう1つは、事業で使う場合は、好きなものが買えるということです。
例えば、パソコンを購入しようと思ったとします。
パソコンには、Apple、DELL、HP、東芝、パナソニックなどの種類がありますが、どれを使っても、事業に使う場合は経費にすることができます。
色なども黒、白、赤などありますが、好きな色のパソコンを購入し経費にすることができます。
経費で落とすデメリット3つ
使えば利益や税金の減る経費は、良いことばかりではありません。
なぜなら、経費のデメリットとしては、次の3つです。
- 経費を使うと現金が減る
- 経費として認められないものは、税金が増えてしまう
- 決算書の見栄えが悪くなる
各項目について、説明していきます。
経費を使うと現金が減る
経費として必要なものを購入して、税金を減らすのはアリだと思います。
でも、必要ないものまで購入して税金を減らすのは、良い作戦ではありません。
なぜなら、経費としてお金を使っても利益は減りますが、税金が減る効果は使った金額の一部だけだからです。
実際に、経費を使わない場合と使った場合で比較してみます。
経費を使わない場合
経費を使わない場合の税金は、500万円×30%=150万円です。
この場合は、150万円会社から現金が出ていきます。
経費を使う場合
利益が500万円あって経費を200万円使ったとします。
500万円―200万円=300万円
経費を使た場合の税金は、300万円×30%=90万円です。
この場合は、会社から経費200万円と税金90万円合わせて290万円出て行ってしまいます。
経費を使わない場合と使う場合で、会社から出ていくお金が変わっていきます。
利益が出たからと言って、無理に経費を使うことはおススメできない理由です。
経費として認められないものは、税金が増えてしまう
領収書があったとしても、すべて経費として認められる訳ではありません。
なぜなら、経費というのは、事業に関連したものだけが認められるからです。
実際に、税務調査などで経費が認められなかった場合について、書いて行きたいと思います。
税務調査で経費が認められない場合
経費として計上したけれども、事業に関係なく個人的な支出ですと指摘された場合によくあるのが役員賞与として処理することです。
役員賞与にすることは、会社にとっても役員にとってもペナルティを与えることになります。
役員賞与は、基本的に会社の経費になりません。(※)
※事前確定届出給与を除く
会社の経費にはなりませんが、役員賞与はもらった役員の収入になり、役員報酬+役員賞与に所得税や住民税が課されるものです。
実際に、会社と役員のペナルティについて書いて行きます。
会社のペナルティ
例として、会社の利益が500万円で、趣味の釣り道具30万円を経費にしてしまったとします。
税務調査で趣味の釣り道具を否認(経費にしない)されました。
利益は500万円から530万円になります。
この530万円に税率を乗じていきますので、当然500万円のときよりも税金は増えます。
役員についてのペナルティ
趣味の釣り道具なので、通常個人的なものは会社からもらった役員報酬で購入するべきです。
この場合は、会社から毎月もらっている役員報酬以外に役員賞与をもらって、趣味の釣り道具を買ったことになります。
釣り道具代30万円は、毎月もらっている役員報酬以外なので、臨時にもらう役員賞与になるのです。
役員賞与は、毎月もらっている役員報酬に加算されますので、その分年収が増えます。
※役員報酬は、700万円とします。
700万円+30万円=730万円
年収が増えれば所得税も増えますし、住民税も増えていきます。
税務調査で指摘されれば、会社の税金も役員の税金も増えていくこととなります。
この増える税金以外に罰金が付いてきますので、注意が必要です。
決算書の見栄えが悪くなる
経費を使いすぎれば、利益の少ない決算書になってしまいます。
利益の少ない決算書は、見栄えが悪いのです。
なぜなら、利益の中から借入の返済はしていくからです。
利益があるからこそ、返済能力があると認められてお金をかりることができて、返すことが出来るのです。
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領収書を使って経費で落とすメリット2つとデメリット3つのまとめ
最後にもう一度確認しましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。