消費税の原則課税と簡易課税のどちらが還付できる?

この記事でわかること

消費税の還付は、原則課税のみ

消費税の原則課税と簡易課税のどちらが消費税の還付ができるのか?って悩んでいませんか。

かしわざき
かしわざき

お盆休み中娘が毎日夜中に起きて眠れなかった税理士の柏嵜です。

東京都大田区で開業しています。

この記事は、消費税の原則課税と簡易課税のうち還付できるのはどっち?などが書いてあります。

この記事を読んで、消費税の還付について確認してください。

原則課税は、本則課税と呼ばれることもあります。

目次

消費税の原則課税と簡易課税のうち還付できるのはどっち?

消費税の原則課税と簡易課税のうち還付できるは、次の通りです。

  • 原則課税は、還付できる
  • 簡易課税は、還付できない

各項目について、説明していきます。

原則課税は、還付できる

消費税の原則課税は、還付を受けることができます。

なぜなら、原則課税はもらった消費税と払った消費税の差額を計算する方式だからです。

払った消費税がもらった消費税よりも多い場合は、その多い部分について還付を受けることができます。

図にすると下のようになります。

原則課税は、消費税の還付を受ける事ができます。

簡易課税は、還付できない

簡易課税の場合には、還付はありません。

なぜなら、 簡易課税の場合は、もらった消費税よりも、みなし仕入率を使って計算した払ったとみなした消費税が少なくなりますので、必ず納付になります。

 

簡易課税は、実際に払った消費税を無視して、みなし仕入率を使って払ったとみなした消費税を使って計算します。

もらった消費税とは、売上などお客さんに請求して、会社に入ってくる消費税のことです。

みなし仕入率を使って計算した払ったとみなした消費税とは、会社が本当に払った消費税の金額は無視して、会社のもらった消費税に率をかけて、計算した金額です。

原則課税と簡易課税の計算

消費税の還付があった場合の計算を、実際の数字を使って確認してみます。

  • もらった消費税100万円
  • 払った消費税120万円
  • 第二種事業(みなし仕入率80%)
原則課税簡易課税
もらった消費税100万円100万円
払った消費税▲120万円
みなし仕入率
100万円×80%
▲80万円
預かり消費税▲20万円20万円

原則課税の場合は、20万円の還付になりますが、簡易課税は20万円の納税となります。

 

簡易課税の場合は、もらった消費税よりも、みなし仕入率をつかって払ったとみなした消費税が少なくなりますので、必ず納付になるため消費税の還付はないのです。

 

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消費税の原則課税と簡易課税の違いをくわしく解説

消費税の還付は、赤字だからではない

消費税の還付で勘違いしやすいことは、赤字になったから還付になるわけではないということです。

なぜなら、消費税の還付は、もらった消費税と払った消費税のうち、払った消費税が多い場合に還付になるからです。

実際に、

  • 赤字で消費税の還付がある場合
  • 赤字で消費税の還付がない場合
  • 黒字で消費税の還付がある場合

を確認していきます。

赤字で消費税の還付がある場合

赤字で消費税の還付がある場合は、売上などのもらった消費税よりも、経費などの払った消費税が多い場合です。

損益(消費税込)消費税
売上110万円売上の消費税10万円
経費▲330万円経費の消費税▲30万円
差引▲220万円差引の消費税▲20万円
還付20万円

消費税の還付は、もらった消費税(売上)と払った消費税(経費)のうち、払った消費税(経費)が多い場合に還付になるのです。

赤字で消費税の還付がない場合

赤字で消費税の還付がない場合は、消費税を払っていない経費が多い場合です。

例えば、給料で赤字になった場合は、消費税は還付になりません。

損益消費税
売上110万円内売上の消費税10万円
給料▲330万円内給料の消費税▲0万円
差引▲220万円10万円
納税10万円

消費税のかからない経費は、

  • 役員報酬・給料・賃金・賞与
  • 社会保険料の会社負担分
  • 印紙

などです。

 

消費税のかからない経費の給料が原因で赤字になった場合は、消費税の還付にはなりません。

黒字で消費税の還付がある場合

黒字で消費税の還付がある場合は、建物を購入したなどの設備投資をした場合です。

建物など高額なものをすると、消費税はいっぱい支払いますが、経費は減価償却という方法でゆくり経費になるため、黒字でも還付になる可能性があります。

建物は1,100万円で内消費税は100万円、経費は減価償却費10万円とします。

損益消費税
売上110万円内売上の消費税10万円
建物内給料の消費税▲100万円
経費10万円
差引110万円▲90万円
還付90万円

利益は110万円出ていますが、消費税は還付90万円になっています。

 

消費税の還付は、もらった消費税と払った消費税の比較で、

  • もらった消費税>払った消費税 ∴消費税納税
  • もらった消費税<払った消費税 ∴消費税還付

となります。

損益計算書が、黒字か赤字かは関係ありません。

消費税の原則課税と簡易課税のどちらが還付できる?のまとめ

最後にもう1度確認しましょう。

消費税の原則課税と簡易課税のどちらが還付できる?のまとめ
消費税の原則課税と簡易課税のどちらが還付できる?のまとめ
  • 消費税の原則課税は、還付できる
  • 消費税の簡易課税は、還付できない
  • 消費税の還付は、赤字だからなるわけではない

消費税の還付を受けるには、原則課税で申告しなければいけません。

設備投資などで還付を受ける場合は、簡易課税では、還付を受けられません。

顧問税理士がいる場合は、設備投資する前に税理士に相談しましょう。

 

55日記(1201)

お盆期間中は、ずっと雨でかわいそうでした。

66日記(428)

なぜか夜中起きてしまうので、注意です。

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