決算書にある雑収入ってそのままで良いの?良い決算書を作ろう!

この記事でわかること

雑収入じゃなくて、売上に移動できるものは、移動したほうが良いよ

「良い決算書ってなんだ?」と疑問に思っていませんか?

かしわざき
かしわざき

税理士の柏嵜忠弘です。東京都大田区で開業しています。

私は、良い決算書っていうと、売上総利益、営業利益、経常利益などの各利益で、黒字になっていることだと思っています。

実は、雑収入を売上高に変更すれば、良い決算書になる可能性が増えてきます。

なぜなら、雑収入を売上高に変更すると売上総利益や営業利益が増えて、見栄えのよい決算書になります。

この記事では、良い決算書とは何か?や雑収入を売上高に変更する方法などが書いてあります。

この記事を読むと、良い決算書を作れる可能性が増えてきますよ。

目次

雑収入は損益計算書のどこにあるの?

雑収入は、損益計算書の営業外収益のところに表示されています。

雑収入は、常に収入としてあるのですが、本業の売上ではないもののことです。

  

例えば、電気工事業を本業にしている会社が、自分の持っている会社の2階などを貸して、家賃収入などを得ている場合などです。

本業は、電気工事なので電気工事の収入は売上高になります。

家賃収入は、本業以外なので、雑収入となります。

  

表示場所は、下の図のようになります。

雑収入と特別利益の違いは、

  • 雑収入⇒いつもあるもの
  • 特別利益⇒めったにないもの

となります。

特別利益のめったに無いものとは、車両の売却などです。

会計では、固定資産はずっと使えるという考え方なので、固定資産を売って利益が出た場合は、めったにない特別な利益と考えます。

決算書の中の雑収入で、売上高にできないか探してみよう

損益計算書をよく見ると、雑収入というのがあって経常利益は500,000円黒字になっています。

ということは、雑収入の中にあるものを、売上高にできれば営業利益が黒字になりますよね。

なぜなら、損益計算書は、収入→経費→利益の順で並んでいるからです。

実際には、営業外収入にある雑収入1,500,000円を上にある売上高に移動させれば、営業利益は赤字から黒字になります。

雑収入を移動したら、営業利益が黒字になりました。

決算書の中の雑収入を売上高に移動する

そもそも売上高と雑収入の違い

売上高と雑収入の違いは、本業の収入か本業以外の収入かの違いです。

なぜなら、営業利益は、本業での利益を表します。

本業での利益なので、とても重要なのです。

雑収入は、営業利益の下に出てくるため、本業以外の収入となり営業外収入といいます。

営業外収入は、雑収入の他に次のようなものがあります。

   

受取利息(普通預金にお金を預けているときの、預金利息です)

受取配当金(株や信用金庫に出資している場合の配当金です)

貸付利息(他の会社や役員・従業員に貸したお金に対する利息です)

家賃収入(事務所や家を貸しているときの収入です)

保険代理店収入(保険の代理店をしている代理店手数料の収入です)

などです。

じゃあ、どれを雑収入から売上に移動するの?

雑収入から売上高に移動するのは、上で上げた中では家賃収入と保険代理店収入です。

なぜなら、家賃収入や保険代理店収入は本業との関連性が高いから、よく顧問先などで見る機会があります。

家賃収入は、事務所などを建築して、空いている部分を貸す場合や事業上の何かの理由で取得した建物を貸す場合などです。

保険代理店収入は、不動産屋が火災保険や家賃保証の保証会社の代理店になってもらう収入などです。

他に探してみると、雑収入にしているけど売上に計上できるものが、あるかもしれません。

決算書の中の雑収入を売上高にする方法

雑収入を売上高にする方法は、家賃収入や保険代理店収入を本業にすれば良いのです。

なぜなら、本業であれば売上高にすることが出来るからです。

実際には、定款の目的に不動産貸付業や保険代理店業を追加することになります。

定款とは、会社のルールが書いてあるルールブックです。

雑収入から売上高に簡単に移動できないのは、定款というルールブックがあるからです。

目的に書いてある売上高
目的に書いていない雑収入・特別利益

定款は、会社を設立するときに必ず作成していますので、確認して見て下さい。

 

定款に、不動産貸付業や保険代理店業を追加することが、雑収入から売上高に移動する方法なのです。

定款を確認してみよう

定款を見てみると、いろいろ書いてありますが。

最初の方に「目的」という項目があります。

だいたい、下記の通り第2条です。

法務局のHPから引用
定款の一部です

この目的に書かれているのが、会社の本業で売上高に記載できる業種です。

この目的に、不動産貸付業や保険代理店業を追加すれば、本業になり雑収入から売上高に変更することが出来ます。

定款に目的を追加する方法

定款に目的を追加する場合は、法務局で登記が必要になります。

なぜなら、定款の目的の追加や変更は、登記事項だからです。

登記事項とは、変更などがあった場合には、登記しなきゃいけないよっていうことです。

ちなみに、決算日などを変更する場合は、登記事項ではないのです。

株主総会で話し合いをして、株主総会議事録を作成すればOKです。

実際に、定款に目的を追加すると下の図のようになります。

これで、家賃収入を売上高に表示することができます。

定款に目的を追加するにはお金がかかります

定款に目的を追加するには、登録免許税が3万円かかります。

司法書士に依頼すれば、手数料がかかりますので、出費は増えて行きます。

実際に、追加は1コでも10コでも登録免許税は3万円なので、思いつくものは入れておきましょう。

  

関連記事<<<会社を設立する時の定款作成で気をつけること5つ

決算書の中の雑収入を、売上高に移動することは税金に影響はない

雑収入を売上高に移動することについて、税金の影響はありません。

なぜなら、雑収入から売上高に表示場所を変えたからです。

実際には、税引き税引き善当期利益などは、変わってきません。

雑収入から売上高に移動することによって、営業利益が赤字→黒字に変化しただけです。

決算書にある雑収入ってそのままで良いの?良い決算書を作ろう!のまとめ

最後にもう一度確認しましょう。

決算書にある雑収入ってそのままで良いの?良い決算書を作ろう!のまとめ
  • 良い決算書は、売上総利益・営業利益・経常利益が黒字の決算書
  • 本業じゃない収入を本業にして売上高を増やそう
  • 定款に目的を追加する場合は、登記が必要でお金がかかる
  • 雑収入を売上高に移動しても、税金に影響はない

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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