消費税の仕訳、端数処理、軽減税率と10%が混在した時の計算を解説!

かしわざき
かしわざき

最近、次女の抱っこでも泣かれてしまう税理士の柏嵜です。

東京都大田区で開業しています。

消費税の計算って難しいですよね。

国税庁のHPなどを使ってても、イマイチあっているかどうか分からない・・・って思っていませんか?

そんな時は、検算してみましょう。

今回は、消費税の計算について、書いてみました。

この記事には、次の事が書いてあります。

この記事は、こんなことが書いてあります
  • 端数処理の金額が大きい場合は、計算が間違っている可能性あり
  • 消費税は、国税を計算してから地方税を計算する
  • 10%と軽減税率8%は、国税の処理は違うが、地方税の処理は一緒

この記事を読むと、消費税の計算に強くなれますよ。

この記事は、消費税の原則課税のことが書いてあります。

簡易課税のことは書いてありません。

簡易課税について知りたい方は、消費税の原則課税と簡易課税の違いをくわしく解説をご確認ください。

目次

消費税は、10%と軽減税率8%だけじゃない?

消費税は、10%と軽減税率8%です。

10%と軽減税率8%なんですが、国税と地方税の合計が、10%と軽減税率8%なのです。

消費税率国税地方税
10%7.8%2.2%
軽減税率8%6.24%1.76%
(ちなみに)8%6.3%1.7%

この率を使って、消費税を計算していきます。

消費税の10%と軽減税率8%は、国税と地方税の合計した税率です。

税率などを国税庁のHPで確認したい方は、国税庁のHP納付税額の計算のしかたを確認してください。

消費税の仕訳と端数処理

消費税の計算を書く前に、消費税の仕訳と端数処理を書いてしまいます。

消費税の仕訳

課税売上の100%が消費税が10%なんだけども、飲食などの軽減税率8%が少しある場合という前提で、仕訳をしていこうと思います。

前提       課税売上(消費税10%)50,000,000円

    課税仕入(消費税10%)35,000,000円

    課税仕入(軽減税率8%)1,000,000円

    納付税額(消費税及び地方消費税)1,289,400円

消費税の振替仕訳

消費税の振替仕訳とは、課税売上や課税仕入から消費税を抜き出す処理のことです。

消費税が10%の場合は、課税売上・課税仕入の金額に×10/110をします。

消費税が軽減税率8%の場合は、課税仕入の金額に×8/108をします。

実際には、次のように計算をします。

課税売上(消費税10%)50,000,000円×10/110=4,545,454円

課税仕入(消費税10%)35,000,000円×10/110=3,181,818円

課税仕入(消費税8%)1,000,000円×8/108=74,074円

仕訳は、次の様になります。

実際の消費税の振替仕訳

課税売上や課税仕入から消費税を抜き出す場合は、仮受消費税と仮払消費税という科目を使います。

借方貸方
(売上)4,545,454(仮受消費税)4,545,454
(仮払消費税)3,181,818(仕入)3,181,818
(仮払消費税)74,074(交際費)74,074

消費税の原則計算をする場合は、税抜処理をします。

税込経理でも良いのですが、私は税抜経理で処理をしています。

消費税の確定仕訳

計算式は、次で書いていきますが、消費税の確定消費税の仕訳を書いていきます。

消費税の納税金額は、1,289,400円です。

まず、仮受消費税4,545,454円から1,289,400円を引いた3,256,054円を借方に記入します。

消費税の納税額は、1,289,400円ですので、1,289,400円は仮受消費税に残して、差額を全部計上します。

仕入と交際費の仮払消費税は、全額を貸方に記入します。

差額は、貸方に雑収入として記入していきます。

借方貸方
(仮受消費税)3,256,054(仮払消費税、仕入)3,181,818
 (仮払消費税、交際費)74,074
 (雑収入)162

消費税の端数処理について

消費税の端数処理は、税抜処理を行っていると必ずと言っていいほど出てきます。

なぜなら、消費税の計算には千円未満切り捨てと百円未満切り捨てが出てきます。

実際に預かった金額と計算する消費税には、誤差が出てきます。

雑収入に計上した金額は、私が経験した中では、40円~250円くらいの間です。

それ以上多くなってしまった場合は、どこかが間違っているんじゃないかと思います。

端数処理は、雑収入で処理しているので、「収入なら消費税は?」と思うかもしれませんが、消費税は関係ありません。

消費税の計算をした後の雑収入は、消費税には関係させないようにします。

課税売上割合が95%の場合です。

税込処理をする場合は、納付税額を租税公課で処理するため、端数処理は出てきません。

☆☆☆関連記事☆☆☆

消費税の計算は税抜処理でやったほうが良いよ!税抜処理のメリット3つ

消費税の具体的計算

仕訳を先に書いてしまいましたが、消費税の具体的計算を書いて行きたいと思います。

消費税のザックリとした計算の流れは、次のとおりです。

  • 国税を先に計算する
  • 次に地方税を計算する

最初の方で書きましたが、消費税は国税と地方税の合計が、10%や軽減税率8%となっています。

消費税の国税を計算してから、その金額を基にして地方税を計算します。

前提       課税売上(消費税10%)50,000,000円

    課税仕入(消費税10%)35,000,000円

    課税仕入(軽減税率8%)1,000,000円

    納付税額(消費税及び地方消費税)1,289,400円

分かりづらいので、消費税の申告書の番号と合わせて、説明していきます。

国税庁のHPより一部加筆

消費税の実際の計算

国税の計算

①課税売上を消費税を抜いていき(税抜処理)、千円未満を切捨てます。

課税売上(消費税10%)50,000,000円×100/110=45,454,545円

45,454,545円→45,454,000円(千円未満切捨て)

※消費税の申告書は、最初から000と印字されています。

②①の課税売上に国税7.8%をかけます。

45,454,000円×7.8%=3,545,412円

④と⑦課税仕入から消費税を取り出します

課税仕入(消費税10%)35,000,000円×7.8/110=2,481,818円

課税仕入(軽減税率8%)1,000,000円×6.24/110=57,777円

2,481,818円+57,777円=2,539,595円

※今回は、⑤と⑥に該当するものがないので、④と⑦は同額となります。

⑪②から⑦を引き、百円未満を切捨てます。

3,545,412円―2,539,595円=1,005,817円(百円未満切捨て)

1,005,817円→1,005,800円

これで、消費税のうち国税が出ました。

地方税の計算

国税1,005,800円を基にして、地方消費税を計算していきます。

⑱には、1,005,800円が入ります。

⑳国税1,005,800円に地方税の税率をかけ、百円未満を切捨てます。

1,005,800円×22/78=283,687円

283,687円→283,600円(百円未満切捨て)

※地方税の税率は22/78となります。

10%も軽減税率8%も関係なく同じ割合をかけていきます。

  • 10%の場合22/78=0.2820512…
  • 地方税8%の場合1.76/6.24=0.2820512…

割合は、同じとなりますので、22/78を使います。

※今回は、㉑がないので⑳の金額を㉒に記載します。

㉖国税と地方税を合計する

1,005,800円+283,600円=1,289,400円(納付税額)となります。

消費税の仕訳、端数処理、軽減税率と10%が混在した時の計算を解説!のまとめ

最後にもう1度確認しましょう。

消費税の仕訳、端数処理、軽減税率と10%が混在した時の計算を解説!のまとめ
消費税の仕訳、端数処理、軽減税率と10%が混在した時の計算を解説!のまとめ
  • 端数処理の金額が大きい場合は、計算が間違っている可能性あり
  • 消費税は、国税を計算してから地方税を計算する
  • 10%と軽減税率8%は、国税の処理は違うが、地方税の処理は一緒

55日記(969)

以前、イヤイヤ言っていたことも、お願いしますと言ってお願いすると、やってくれることが多くなりました。

66日記(187)

最近、咳き込んでいます。少し心配です。

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