社長が社員に年末調整で相談されたら答えたいこと

かしわざき
かしわざき

税理士の柏嵜忠弘(かしわざきただひろ)です。

東京都大田区で開業しています。

年末調整のことを社員に話す時に不安はありませんか?

年末調整は、年に1度のことですから、覚えていないことも多いですよね。

実は、年末調整については、そんなに神経質にならなくても良いのです。

最終的には、確定申告で何とかなりますから。

そうは言っても、社員に年末調整のことを聞かれたら、ある程度答えたいですよね。

この記事には、こんなことが書いてあります
  • 年末調整は、1年間の給与収入に対する税金を確定すること
  • 年末調整の最終的な受け皿は、確定申告である
  • 転職した年に前職がある場合は、転職した会社に前職の源泉徴収票を持ってこよう
  • 転職した年に前職がない場合は、なにも気にしない
  • 副業している場合は、最終的に確定申告することになります
  • 医療費控除やふるさと納税は、確定申告でしかできません

この記事は、前半で年末調整のこと、後半では転職で就職したことなどを書いています。

この記事を読むと、年末調整のことを社員に聞かれても心配なくなりますよ。

目次

そもそも年末調整とは?

年末調整とは、社員の1年間の給料収入に対する税金を確定する作業です。

毎月の給料から引いている税金は、所得税なのですが概算金額です。

1年間の確定した金額にするために、集まった概算額が多かったら還付して少なかったら徴収します。

1年間の給料収入に対する税金を確定する、というのがメインです。

   

年末調整については、下記の記事をどうぞ。

   

最終的な受け皿は確定申告

年末調整が出来なかった、年末調整していなかったという場合は、最終手段が確定申告になります。

なぜなら、確定申告は時期が年末調整の後になりますし、給料収入以外の税金を確定する場所だからです。

もし、「年末調整したくない!」という社員がいたら、確定申告してねって言えば良いのです。

(こんな社員いるかどうか分かりませんが…)

   

こんな時は年末調整をしていません

社員が源泉徴収票を持ってきたときに、年末調整しているかどうかを確認する場合は、持ってきた源泉徴収票を見ればわかります。

  

年末調整してるかどうかを確認する場合は、次の記事をどうぞ。

   

こんな時は年末調整するの?それは報告だけしてね

扶養控除等申告書などを記載間違いしたからと言って、すべて確定申告しなければいけないというわけではありません。

ちょこっと書類を変えればできますので、大丈夫です。

実際に、私が経験した間違いを確認していきましょう。

名前や生年月日が違う

たまにあるのが、子どもの名前や生年月日を間違えてしまうことです。

こんな場合は、年末調整後でも変更できますので気軽に言ってください。

住所などを間違えて書いてしまう方もいます。

アパートやマンションの部屋番号を203を202と書いてしまうのです。

記憶に不安な方は、会社で書かずに家に帰って落ち着いて書きましょう。

現在、スマホなんかでも年末調整の書類を作成できるようですが、扶養控除等申告書などを渡して書いてもらう方が多いです。

会計事務所などでも入力ミスが発生する可能性がありますので、源泉徴収票をもらったら、必ず確認しましょう。

年末調整終わった後に、子どもが扶養じゃないことが発覚した場合

再年末調整をできるか確認しましょう。

時期によっては、再年末調整ができるかもしれません。

個人的には、1月20日前なら何とか大丈夫だと思います。

でも、確定申告も覚悟しましょう。

    

扶養にについて良く「そんなこと聞けない」という方がいます。

特に息子さんや娘さんのバイト代を確認できない方が多いです。

よくあるのは、「大丈夫だと思います…、あいつ稼いでないですよ…」って感じで本人に確認しない方がいます。

    

頑張ってコミュニケーション取ってください。

扶養になるかならないかで税額が変わりますし、間違って扶養に入れて後でバレれば罰金がつきますよ。

    

昔、扶養って意味わからなかったけど、隣の社員を見たら奥さんの名前書いていたんで、俺も書いちゃいましたって人がいました。

もちろん、扶養じゃないですよねって連絡来ました。

    

転職した場合の年末調整

転職した時の年末用調整は、通常と違う場合があります。

なぜなら、転職した年に前職があるかないかで変わってくるからです。

実際に、前職がある場合とない場合で説明したいと思います。

転職した年に前の職場がある場合

会社を辞めて再就職した場合は、辞めた会社の源泉徴収票を持ってくれば、その給料収入を含めて年末調整をします。

なぜなら、1年間の給料収入を確定させるには、他の会社で働いていた場合も含めてやるからです。

他の会社の分を含めて処理するのは変な感じですが、会社に損や得は出てきませんので安心してください。

社員全員から預かったお金の中から還付します。

足りなかったら、次の納税から差し引きますので、損や得はありません。

   

転職した年に前の職場がない場合

転職した年に前の職場がない場合は、今の会社で年末調整をしてもらえば、それで終わりになります。

   

副業している場合

副業している場合は、年末調整では対応できません。

なぜなら、副業は雑所得や事業所得になってしまうからです。

年末調整は、給料収入(給与所得)に対する税金を確定する作業ですから、その他雑所得や事業所得は確定申告になります。

   

そして、副業にアルバイトをしている場合も確定申告になります。

アルバイトしている場合など同時に2か所から給料収入がある場合は、確定申告になります。

転職した場合は、同時に2か所から給料収入がない時です。

  

副業などのことについては、下の記事を確認してください。

     

医療費控除とふるさと納税は、年末調整ではできません

社員が医療費の領収書やとふるさと納税の書類を持ってきても、年末調整ではできません。

なぜなら、医療費控除やふるさと納税は、確定申告だからです。

実際に、医療費の領収書やふるさと納税の領収書を、用意してくる方がいます。

医療費控除とふるさと納税は、確定申告と伝えてください。

   

ふるさと納税については、確定申告が必要ない場合もある

ふるさと納税は、住民税を特別徴収でふるさと納税が5自治体以内の場合は、ワンストップ特例制度が使えます。

会社で住民税を徴収していることも要件になりますが、ワンストップ特例制度の方が楽ですよと伝えてください。

   

社長が社員に年末調整のことで相談されたら答えたいことのまとめ

最後にもう一度確認しましょう。

社長が社員に年末調整で相談されたら答えたいこと
社長が社員に年末調整で相談されたら答えたいこと
  • 年末調整は、1年間の給与収入に対する税金を確定すること
  • 年末調整の最終的な受け皿は、確定申告である
  • 転職した年に前職がある場合は、転職した会社に前職の源泉徴収票を持ってこよう
  • 転職した年に前職がない場合は、なにも気にしない
  • 副業している場合は、最終的に確定申告することになります
  • 医療費控除やふるさと納税は、確定申告でしかできません

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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